~Snow White~『最終巻』
第十六章
道東の温泉街でホテル業務全般の
仕事を見つけた。

週末を使って
出かけて行った。


「いらっしゃいませ」


年をとった夫婦でやっている
小さな旅館だったが


とても感じがよかった。


オホーツクの海が

もうすぐ冬を教えてくれた。



食事の時に


女将に



「実は、ここで従業員を募集してるって
札幌からやってきました。」


と声をかけた。


「ま!!あなたのような若い人が?」



「仕事をやめるので
探しているんです。」



「うちは、退職したくらいのご夫婦の方を
募集していたんです。
そんなにお給料を上げられないし……
住むところと温泉と食事くらいだし
私たちも年なので
お手伝いしてくださる方が欲しいのです。
あなたのような若い方は
こんなところは無理ですよ。」


そうやんわり断られた。
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