~Snow White~『最終巻』
「雪湖は働きものだから
忙しいんですよ。
稔さんのママの思い出はお掃除
しながら聞くから……」



「どうして逃げる?」
稔の腕に力がこもった。



「逃げるって…」
逃げるという言葉にまた
恐怖感を覚えた。



「プリンスとだってこうしてただろ?」



「・・・・!?」



「プリンスはよくて俺はダメ?」



「そ…そんな……
でも……稔さん今日は変だわ……
なんだか怖い……」


雪湖はさすがにひきつってきた。



雪湖の長い髪の毛を片側に
寄せた。



「利香と同じ匂いがする」


そう言って雪湖の白い首筋に
唇を這わせた。
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