~Snow White~『最終巻』
お手伝いのミツに知らない振りをして
智久は自分がいなかった
4年間を知った。



初めて出会ったあの日
あんなに小さかった雪湖は
ここでお手伝いさんのように
働かされ
ひとりでご飯を食べていた。


必要以外の話しもせず
雪湖の部屋にはテレビもない


小さい雪湖がそんな中で
必死に居場所を守って暮らしている



怒りがこみあげてきた。



誰もいないのを確認して


「おはよう」


「ごちそうさま、美味しかったよ」


「おやすみ、おつかれさま」


声をかけた。

恥ずかしそうに微笑む雪湖が
愛おしかった。
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