~Snow White~『最終巻』
竜平は午後出勤のために
まだ家にいた。


夏絵が怪訝な顔で封筒を
差し出した。


大柴 竜平 様
ご家族様


差出人の名前はなかった。



「なんだろう・・・・」

竜平は慎重に封筒を破って
しばらく無言で見ていたが


急に立ちあがって


「あのばか・・・・・」
そう言って絶句した。




「どうしたの?」

竜平は手紙を
夏絵に差し出した。


みるみるうちに顔が青ざめて行った



口をおさえて

「何を考えてるの・・・・・」

そう言うと
床に座り込んだ。



智久は雪湖を連れて行ったのだろうか



大槻がそう簡単には
許さないはずだ・・・・・



「ごめんなさい・・・・
あなた・・・・
なんて裏切りを・・・・」

夏絵が土下座をして
何度も叫んだ。
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