~Snow White~『最終巻』
約束の部屋に行くと
竜平が先に座っていた。


雪湖は久々に見た伯父が
すっかり年をとった気がした。


 トモは元気ですか?


そう聞きたかった。




「久しぶりだね、竜平くん」
稔が近づいて行った。



「ご無沙汰しています。」

竜平は冷たい目をして
稔を見据えた。



この二人の間に何があったんだろう。



弁護士らしき初老の男性が


「弁護士の中尾です。
申し訳ありませんが
竜平さんと雪湖さんのお二人に
直接お渡しして
この場で目を通していただきますので
一度席をおはずしください。」


稔にそう言った。
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