~Snow White~『最終巻』
死のうとしたあの湖で
私は
冬の冷たい湖の中まで
追ってきてくれた
洋平の腕の中で もうひとつの命と
一緒に生きて行く決心をした。

大柴 洋平 の妻になって……


産まれた娘を
あの雪の湖を忘れられなくて

雪湖 と名付けた。

幸せだった・・・・・。
洋平の愛に包まれ
そして雪湖に父親のいる
あたたかい家庭をあげられたこと

でも・・・・・
雪湖が本当の父親と
同じ顔をした洋平をパパと呼ぶ

愛した人と同じ顔の夫に
抱かれること・・・・


いつしかそれが
竜平と重なって洋平を裏切っている
罪悪感から必死で
逃げようとしてる自分がいた。

二人の違うところを
必死で探して、これは洋平なんだって
そう言い聞かせてきた。

ひとい女だと
何度も洋平に心で謝って生きてきた。
多分これから先もずっと…
そうやって三人で生きて行くんだろうって…
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