~Snow White~『最終巻』
男なんて心と体は別物


心はここになくても
女は抱ける


罪悪感と謝罪のために
自分につきあってくれる
智久の心の隙につけ込んだ。


疲れさせて
完全に眠ってしまった
智久から体を静かに離した。


いつもの二人だった。


智久は眠ると
簡単には起きないのも
知っている



「私は全部知ってる。
きっと雪湖さんより
あなたを知り尽くしている。
いいところも悪いところもね。」


智久のバックに手をかけた。


「ここにみんなあるよね。」


サイドのチャックをあけた。


出張するとき
大事なものをここに入れる。

チケット
それから大事なことは
スケジュール表に全て書いてある。

出張の日程は交通機関の
時間まで間違いなく書いてる。

スケジュール表は智久の
人生そのものだった。



几帳面な仕事をする。


「それも私だから知ってること」


仕事面を支えてきた
華は
智久のクセを知り尽くしていた。
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