~Snow White~『最終巻』
「雪湖を救い出したい・・・」


「大槻社長のとこで
幸せにしてたんじゃないの?」




「夏絵・・・・
大槻は卑怯な奴だ。
利香を愛しすぎて狂っている。」



「利香さんを?」



夏絵は目を丸くした。



「大槻は、雪湖を・・・・
利香の代わりにしている。」


竜平は震えた。



「何を言ってるの?」



「利香も雪湖も
大槻に・・・・・・・。
利香は大槻から逃げて札幌に来たんだ。」



「だってお兄さんなんでしょう?」


「血はつながってない」


「そ…そんな……」



「利香に頼まれたように18歳まで
ここで雪湖を預かるんだった……
雪湖が他人だったら何とも思わなかった
自分が許せない。
今は娘だとわかって
胸が張り裂けそうな自分が情けない。
他人でも娘でも
どうして…俺は雪湖を救ってやれなかったんだろう。
情けない……最低なクズだ……」


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