~Snow White~『最終巻』
長く伸びた髪の毛を
久しぶりの美容室で
短くカットした。


「首が長くてきれいですね。」


美容師の若い男がそう言って
雪湖を鏡越しで見つめる。


鏡の中には
全く違う自分がいた。


「アドレスなんか
聞いちゃだめですよね?」

ためらいながら
男は言った。


「ごめんなさい。
携帯持ってないの今どき・・・
素敵な髪の毛にしてくれて
ありがとうございました。」


そう言って店を後にした。



少し自分のいた場所を
確認したくなった。


もうここにくることはないだろう


雪湖は違う自分になったような気がした。
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