~Snow White~『最終巻』
高校生が多くなってきた。


雪湖は麺堤に向かっていた。


 みんなどうしてるかな
 恭吾はまだ部活かしら


地下鉄の改札を出たところに
見慣れた男の子が立っていた。


 恭吾・・・・


雪湖は顔を見られないように
ドキドキしながら改札を抜けて
恭吾を見ていた。


 元気だった?
 お兄さん夫婦は?
 かーしゃんは元気?


背中に話しかけた。


恭吾の背中が動き出して
改札のそばに歩き出した。



そこから真冬が笑顔で出てきた。


雪湖は驚いて心臓をおさえる。




「ただいま~恭吾~」


改札を抜けて
真冬は恭吾の手をとった。
恭吾は愛おしそうに
真冬の頭を優しく撫ぜて


「行こうか~」と言って歩き出した。


しっかり繋がれている
二人の手を見て

雪湖の心はうらやましさで一杯だった。


 幸せにね・・・・・


雪湖は改札に引き返した。
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