~Snow White~『最終巻』
大柴の屋敷の前に来た。


辛い思い出の凝縮された家
初めて来た時
期待が地獄に変わって
何度あの家で涙を流したことだろう



竜平に会った時

「パパ」と呼んでしまったが
それが真実だった。


おかしくなった。


あの姉妹と姉妹だったなんて


ここにいたことで
辛い毎日を送っていることで


そんな雪湖に同情してくれた
智久に愛されるようになった。


誰もいない時は笑顔をくれた。



うれしかった。
優しくしてもらえる感動を
忘れられない。


辛かったけど
私にとってはよかったのかもしれない


今の地獄に比べれば
大柴に守られていたこの年月は
幸せだったんだって
そう思える・・・・・。


「おとうさま・・・・」


伯父を思い浮かべて
そっと呼んでみた・・・・・。


「さよなら・・・・」
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