~Snow White~『最終巻』
華を帰していつも通りの毎日が
過ぎて行く。



華の自分を想う気持ちの強さを
感じてたけれど


雪湖のことを忘れるわけがない。


大槻と華が通じていたのも
もとはと言えば
自分がいいように華の存在を
利用していたから
華を責めることはできなかった。


愛する者を引きとめたい


智久が華だったら
同じことをしていたかもしれない


お人よしに
そんな恋人の背中を
見送るなんてできるわけがない
自分以外の人間と
幸せになるために
我慢するなんて

バカなお人よしだ・・・・



「華には謝るしかない
その言葉しかない・・・。
その罰が今の俺なのかもしれない。
雪湖と一緒にくるはずだったこの地で
一人でいる……
二人で夢見た生活は俺一人・・・・。
そう思って笑ってくれ。」


智久がそういうと
華は静かに帰って行った。
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