~Snow White~『最終巻』
雪湖は床に倒れ込んだ。


短くなった髪の毛を引っ張って
立たせてもう一度
殴られた。



「三原は言わないよ。
そんなこと言ったら家族はまた
路頭に迷うからね。
あれだけ店を拡大していったんだ。
脱税した金でさ・・・・・。」



あの時と同じ
血の味がした。



「あんたなんて大嫌い。
気持ち悪いのよ・・・・・。
じじいのくせして……」



「テメー・・・・・」



稔は真っ赤な顔をして
雪湖の首を締めあげた。



「生意気なこといいやがって
だまって俺のいうとおりにしてれば
可愛がってやるんだ。
わかるか?」

雪湖は
苦しさに足をバタバタさせた。
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