~Snow White~『最終巻』
美春は雪湖の手をとって
強く握りしめた。


「家から出て
正直、姉妹以上に妹だったわ。」



「ほんとですか?
私は兄弟がいないから
美春さんをすっかりおねえちゃんに
してました。」


雪湖は目を閉じた。



「かわいそうな雪湖・・・・。
小さいあなたが孤独にしてるのが
辛かった。
私は あれから両親に一線をおいた。
父の考えてることも
それをおかしいと正さない
母の従順さも
何か違わないか?そう思っていたわ。
あなたが千秋たちの
化粧水とか欲しがったことがあったよね。」



「あ、ありました。
あの時 本当にほしかった~
うふふ・・・
苦い思い出だな~」


雪湖はあの日のことを
思いだした。


年頃になって人気だった洗顔 化粧水 乳液 
最初は隠れて使わせてもらってた
でもばれて責められた。
捨てられていた洗顔を拾った。
真ん中からハサミで切って
手を入れるとまだ十分に使えたけど
それも見つかってしまった。


「私 知ってるんだ。」


美春が雪湖の手をまた
強く握った。
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