~Snow White~『最終巻』
「吉沢、遅いぞ。何してんだ。」


三原の一声が怒鳴り声だった。


「早くつかまえないと
いなくなってしまうぞ。
姿を隠してしまうぞ?
いいのか?
今、抱いてやらなかったら
一生後悔するぞ。
うだうだ考えてないで
とにかく来い!!
なんとかなる!!」



三原の声に何かが落ちた気がした。



 そうだ・・・・
 考えても何も始まらないんだ



強く抱きしめて


「もう離さない」


そう言ってやらないと・・・・・



札幌行きの列車は
次の日までなかった。



 待ってろ 雪湖・・・・


智久は明日雪湖を
迎えに行こうと決めた。

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