~Snow White~『最終巻』
「大柴社長」


三原から近寄ってきた。



「ご無沙汰しております。」
深く頭をさげた。



「無実が証明されて
よかったな。」



「ご心配おかけしました。
雪湖ちゃんが美春さんのところに
います。
社長のところで
支えてはもらえないでしょうか?
かなり傷ついています。
吉沢とのことは許してもらえないですか?」



「雪湖は私が連れて行くよ。
可哀そうなことをしてしまった。
後悔してる・・・・・。
美春とは続いているのか?」



「一度、辛くて別れましたが
吉沢のおかげでまたやり直すことが
できました。
ご心配おかけして申し訳ありません。
後日、ごあいさつに伺うつもりでした。
大槻建設を退職することにしました。
再就職が決まって
落ち着いたら美春さんを
いただきたいと・・・・
今・・・言ってしまいましたが・・・」


三原は頭をかいた。



「あはは・・・」
思わず竜平は笑ってしまった。


三原は驚いた顔で竜平を見た。


「美春と二人で食事に来い。
まってるぞ。」

三原の手をとって
固く握手した。


「ありがとうございます・・・」

三原は涙ぐんでいた。
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