~Snow White~『最終巻』
雪湖は 今まさに
智久がいるオホーツクの地に向かって
列車に乗った。


あの日 雪湖が乗るはずだった列車

札幌から乗った
智久はきっと希望に満ちていたんだろう


雪湖が乗ってくることを
疑うことなく
列車の窓から見える
風景を見ていたんだろう。



銀世界だったあの日も
今は新緑の季節



智久と一緒にいるような気がした。



雪湖が乗ってくるはずだった
駅が近づいてきた。


あの日、泣きながらこの列車を
見送ったあの風景が見えてきた。


雪湖は立ち上がって
窓にはりつく・・・・・


雪があの日雪湖を隠してしまたんだろう


雪も雪湖が哀れだと
思ってくれたから・・・・


駅で乗ってこない雪湖をに
智久はどんな気持ちだったのか

涙が一筋流れた・・・・・
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