~Snow White~『最終巻』
濡れた髪の毛を乾かして

洋服に着替えて外に出た。


旅館の裏側から
ちょっと急な階段を下りて浜辺におりた。



波の音が ザブン ザブン


鼻の先に海の匂いがした。



海はおだやかだった。


「うわ~~」


思わず歓声を上げた。



智久とドライブした海と重ね合わせる。


波打ちぎわを歩いて キレイな貝殻をさがす。
あの日と同じことを
している自分がおかしかった。


違うのは智久が隣にいないこと


そう思うと足がとまった・・・・


「会いたいな・・・・。
会いたいな・・・・・。」

自分に素直になれるのは
この自然のせいだろうか・・・・
ここに来てみてよかった
そう雪湖は思っていた。
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