~Snow White~『最終巻』
「うん、少しだけ一緒だった。」
男の子の目は
もうおいていない教科書の
あったところを見ていた。



雪湖は、あまりクラスメートを
強烈には覚えていなかった。

目立って何かをするタイプでは
なく、仲良しグループの中で
ただ毎日を暮らしていた。


何度も
告白もされたり
噂は聞いたけれど


心の中にいる
智久を愛しすぎてて
誰もそれ以上思い出にもなかった。


「ごめんなさい、中学の時?」


雪湖は申し訳ないと
思った。



男の子は、やっと目線を
雪湖に写した。


少し薄茶色の目
よ~く見てみたら

男の子のかっこよさにキュンとした。
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