~Snow White~『最終巻』
その夜 波の音を聞きながら

雪湖は智久に抱かれた。


愛する人に抱かれる喜びは
全ての邪悪を忘れ去った。

智久は
「キレイだよ・・・・」と何度も言う。


いつしか悪魔の魔法はとけて


王子さまの甘い魔法に
酔いしれた。



「俺と結婚してください。」

智久は雪湖の顔を見つめた。


「はい・・・・。」


雪湖も智久の目を見つめた。


あの雪の日・・・・
大声で泣いている女の子が可哀そうで
飛び出した。


また会えると約束をした。


「あの時から俺の心に雪湖がすみついたんだ。
高校生だったのにおかしいだろ?
ずっと忘れられなかったんだ。
あれからずっと俺は雪湖が
好きだったのかもしれない………」



「あのお兄さんがトモだったのね。」



「とても時間がかかったね……」



「うん……とっても……」



雪湖は幸せの絶頂にいた・・・・・。
智久の腕の中で
久しぶりにゆっくり眠った。
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