~Snow White~『最終巻』
波の音で目が覚めた。


「ん・・・・?」


智久が額にキスをした。



「おはよう、雪湖。」



「起きてたの?」



「寝顔見てた・・・・
可愛かった・・・・」



雪湖は恥ずかしくなった。


「俺達はさ、家族ってものの縁が薄いだろう。
だからさ、あったかい家庭を作ろう。
もし子供に恵まれなかったら
いっつもラブラブな夫婦でいよう。
ここのオーナーみたいにさ。
一枚の布団に寝て
一枚の布団で起きる。
喧嘩しても腹がっ立ってても
絶対一緒の布団に寝よう。
雪湖とつくる俺の家庭・・・・
楽しみだな・・・・。」


智久は雪湖を抱きしめた。


「札幌には戻らなくていいか?
俺はここで暮らしたい。
ダメかな?」



「ダメなわけない。
私もここで一緒に働くよ。
海を一緒に見ながら……
私は働き者だから、頑張れるよ。」



「よし!!
頼もしいぞ~!!
そのまえに結婚すること
雪湖のご両親に伝えないとな・・・・」



「うん。
大柴の伯父さまと伯母さまは
許してくれるかな。」



「挨拶しにいこう。」



二人は強く抱きしめ合った。
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