~Snow White~『最終巻』
「恭…吾?」


男の子の目がにっこり笑った。



「おせーな~」


「恭吾!?」
雪湖は嬉しくてついつい
大声を出した。



「俺のことは忘れてなかったんだ~」
恭吾は雪湖の鼻をつまんだ。


「私も会いたかったよ~
か~しゃんに・・・・・。」



「なんだよ~俺じゃなくて
か~しゃんか?」


涙が込み上げてきた。


「やめろってここで泣くなよ~
俺がなかしたみたいだろ?」



「ダメ…もう涙落ちそう……」

目から零れ落ちた瞬間の涙を
恭吾の手が受け止めた。


「いただき~~!!」

そう言うと雪湖の手をひいて
店を出た。
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