~Snow White~『最終巻』
隣の店をのぞいていたら
恭吾が戻ってきた。


「ごめん、ごめん」


そう言うと雪湖の細い首に
何かをつけた。


「え?」


雪湖は慌てて触ってみた。


「ネックレス?」



「おまえ、今日誕生日だよ・・・な?」



「どうして?」



「かーしゃんが言ってたからさ。」



また泣きそうになった。



「雪湖ってもっと強かったよな~
なんか泣いてばっかだな。」

恭吾が少しかがんで
雪湖の目を見つめた。


「ありがと・・・・」
今度の涙は大量だった。
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