～Snow White～『最終巻』

「俺を愛してくれているなら
これ以上俺を・・・・・
追い詰めないで・・・・・。
ここから逃げてしまいたい俺を
全て投げてしまって
楽になりたいって・・・・・
マンションのバルコニーから
飛んだらきっと楽になれるって……
毎日、毎日そう思ってる。」


「死んじゃいたいって？」


「情けないだろ・・・・・
俺ってダメな男なんだって……」


苦悩に歪む智久の顔が
雪湖には悲しかった。


「私が……私と別れたら
少しか救われるの？
トモは元気になる？」


「俺の心の底にいる葛藤から
解放される・・・・・・」



雪が顔にあたって涙なのか
雪なのかわからない



「俺はサイテーな男だよ……
男ってさ…どーしようもない……
雪湖を愛していても
他の女を抱くこともできるし
その瞬間は
全てのことから解放されて
夢中になっている。
少しでも忘れたくて……夢中になりたくて
他の女を抱いている……」


「私だって抱いて欲しいって
思ってる・・・・」


雪湖の言葉を突風がかき消す。