~Snow White~『最終巻』
「雪湖は真っ白で
純真なまま……次に愛する男の
まえに現れてほしいんだ。
最後に愛する男に染めてもらうんだ。
きれいなまま
その男の愛の色で・・・・・」




雪が降り積もる・・・・・



「さよなら雪湖・・・・・」



智久が優しく雪をはらってくれた。



「やだ・・・・・」




「ごめんな・・・雪湖・・・
ごめん・・・・俺のこと憎んでも
恨んでもいいから・・・・・
弱くてずるい男だって
蔑んでもいいから・・・・・
幸せになってくれ・・・・・・」




冷たい両手で雪湖の頬をはさんだ。



「強く生きよう・・・・。
俺達・・・・
別の道を・・・・・・。」


そう言うと背中を向けて
走り出した。


「トモ~~~~~!!!!」


雪湖の声から逃げ出すように
智久は雪の中に消えて行った。
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