~Snow White~『最終巻』
「雪湖ちゃん?」


丸くて優しい顔は
かーしゃんだった・・・・。


「かーしゃん?」



目が潤んで何も見えなくなった。



まあるい
柔らかな胸に抱きしめられた。



「かーしゃん~~~~」



「雪湖ちゃん!!!」


まるで母親に抱きしめられたかのように
安らかな気持ちでいっぱいになった。


声をあげておお泣きした。



「会いたかったよ。」

かーしゃんは何度もそう言って
雪湖の髪の毛を
優しく撫ぜてくれた。



「かーしゃん~~~」

幼いあの頃
母の変わりに抱きしめてくれた
一佐・・・・・。


辛くて苦しくて悲しかったことが
一気に込み上げてきた。
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