~Snow White~『最終巻』
つらかったことを
かーしゃんに話すと、かーしゃんは
おいおいと泣きだした。


「そんなことになってるなんて」



さすがに恭吾も黙ってしまった。


「働き者の手だね。」
かーしゃんの温かい手が
雪湖の指を包み込んだ。



「怒鳴りこんでいきたいくらい」



かーしゃんが
泣きながらそう言った。



「いいの・・・もう少し・・・
高校卒業したら挨拶しっかりして
自分で生きていけるように
頑張らなくちゃ・・・・
その日のために私頑張ってるんだ。」



「そうかい・・・
これからは辛くなったら
話に来てね。
私もたまにいるから、ここから
電話してくれればいいから、
ね?お兄ちゃん?
いいよね?」

恭吾の兄は奥さんらしい女性と
笑顔で丸をつくってくれた。
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