~Snow White~『最終巻』
「心強いってこんなに違うのね。
昨日、恭吾に再会して
私、救われた気がする。
もし、昨日恭吾に会ってなかったら
私は今頃どうしてたのかな……」



「大丈夫か?」



「昨日ね、ふられたんだ。
恭吾と別れてから………。
絶対、結ばれるって信じてたから
ものすごく辛い………
待っててって言ってくれれば
私はずっと待ってるのに……
あの人はそう言ってくれなかった。
毎日、辛くても
彼がいるから我慢できた……
彼と別れたらこれから
何を支えにしていいのかわからなかった。」



恭吾は窓の外に目をやった。



「忘れられんのか?」



「忘れられない・・・・・・。
忘れない、忘れたくない・・・。
彼が運命の人だってずっと信じてた。
孤独で情けない人生を
ずっと支えてくれてた光だった。」

また涙が流れた。
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