~Snow White~『最終巻』
「ずっと二人の間で揺れていた。
でも、俺は、小さい身体で
必死にトモを育ててる夏絵の
ひたむきさに
強く惹かれて……
本当の利香がつかみきれなくて
どこかに感じる
洋平の影に不安で仕方なかった時
美春が宿った。
もちろん夏絵を受け入れた。
今でも忘れられない・・・・。
利香と別れたあの日を・・・・・。
あの日も洋平が
部屋に駆け付けた。
アイツはいつも利香を助けにきた。

だからあの後、きっと
利香とくっつくんだと疑わなかったのに
別れてしばらくして
利香がいなくなった。


俺の心は半分死んだ・・・・。
利香が愛してたのは自分だけだった。


夏絵や可愛い子供
トモに囲まれて少しづつ忘れかけた頃
偶然に再会した。
利香は何もかも捨てて
ボロボロになりながら生きていた。
全部俺のせいで・・・・。


今度は何があっても
絶対に離さないと誓って
俺は利香を隠した。」



夏絵が顔を覆った。
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