~Snow White~『最終巻』
稔は三原に連絡を入れた。


「プリンスの手ごたえは?」


「悪くはなかったです。
気持ちは揺れたと思います。」




「近々、そっちに行くから
何度かつっついておけ。
きっと落ちるからな。
雪湖もしっかり見張っておいてくれ。
大柴の長女は使えるだろう?」



「いえ…あの……
美春には……」
三原は言葉を選んだ。



「美春にはほかに好きな男ができたようで
別れました・・・・・」



「あ?何言ってんだ?
美春は大事なんだよ?
なんで別れることがある?
大柴とのパイプ役だし……雪湖もことも
情報が入ってくるし
こっちでおさえておけば
大柴も手だしができないんだぞ?
それがおまえの役目だろ?」


「わかってます……
でも嫌われたならしょうがないです」

三原はそう言った。
< 97 / 397 >

この作品をシェア

pagetop