ダイエット大作戦!
「う……」


私の声で起きたのか輝はゆっくり目を開けた。


「輝?」


輝はずっと私の顔をジーと見ていた。


「姫香?良かった~。」


そう言って私に輝は抱きついてきた。


(もしかして寝ぼけてる?)


抱きつかれた時、輝の体が痩せていることに気づいた。


「俺な毎日嫌な夢を見てたんだ。姫香が俺の目の前から消える夢…。ずっとあの日の姫香の泣き顔が忘れられなくて…でも今日は夢の中でも姫香に会えた。」


そう言って輝はフワリと笑った。


(輝があんなこと言ったから私は泣いたのに、なんで輝が私の泣き顔を見て悩んでいたの?)



「俺は、どんな姫香でも好きなのにな。いつも姫香をいじめてしまうし、素直になれないんだ」


ギュッと腕に力を入れ、輝はさっきより強い力で抱きしめてきた。
< 175 / 184 >

この作品をシェア

pagetop