ダイエット大作戦!

音楽

「着いたよ姫香ねえを僕の部屋に入れるのは初めてだね。」


翼の部屋はほとんど何もなく、部屋の真ん中にグランドピアノが置かれているくらいだった。

「ピアノだ~。懐かしいな~。」


私は、中学の2年までピアノを習っていた。


「姫香ねえ、何か弾いてみて?」


「えっ!でも私あまり弾けないよ。」


「良いから良いから。」


翼に背を押され私は椅子に座った。


「じゃあ、エリーゼのために。弾くね。」


そう言って弾いてみたものの、1年以上弾いていないせいで手はすっかり生ってしまい、ぎこちない曲になってしまった。


「久しぶりに弾いたのに、こんなに弾けたら十分だよ。」


弾き終えると翼が拍手をしてくれた。


「ありがとう翼。」


「じゃあ次は僕が弾くね。何が良い?」


「えっとねチューリップ。」


「僕もう昔と違うんだけど。」

翼が小さい時に聞かせてもらったチューリップを言うと、翼は拗ねたように顔を膨らましてきた。
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