ダイエット大作戦!
「男なのに情けないですよね。」


泣きそうな顔で笑ってくる健太さんを見て、私は無意識のうちに健太さんを抱きしめていた。

いつもは大人びている健太さんの弱い一面。


細かく震えている健太さんを見て私は母性本能がくすぐられた。


「姫香様!」


いきなりの事で健太さんは戸惑っていた。


「大丈夫。大丈夫ですよ。怖くありません。健太さんが落ち着くまでこうしていますから。」

そう言って抱きしめていると、健太さんは震えが少しずつ止まり、ユックリと私の腕を離した。


「すいませんでした。もう大丈夫です。」


健太さんはそう言うと立ち上がり、私たちは出口へと向かった。
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