星をはりつけて
しかし王女はどこか寂しげな顔をしていました。
「いい…仕事だからとしなくてもいい」
「姫様?」
覗きこむ男の髪がサラリと揺れました。
王女の色違いの目が小刻みに揺れて、キラキラ光っています。
「そんな甘い考えで、革命軍を名乗る者たちを始め、騒ぎを起こす者たちを静めるのは酷だ。
彼らもそれぞれ国を想い、信念で戦っているのだから………そんな者たちを前に…戦う前に心が折られそうだよ…」
王女はそういうなり両手で顔を覆うとうつ向いてしまいました。
「姫様…」
まるで自分自身に言ってるみたいだ…
目の前にいるのは只の幼い女の子、腰に剣を差した勇ましい女人ではない…剣を持つしか道がなかった哀れな娘なのだ…
あのまま玉座に座れば魔女にゆっくりゆっくり魔をかけられ王のようになっていただろう。
進めたはずの道がひとつひとつ消え去り彼女は今こうして自ら袖を通してしまった。
腰の金属が重いだろう
自らの身なりを着飾った貴婦人に目を奪われるだろう
甘い想いも、体を重ねる喜びも知らぬままに死んでしまうかもしれない…。