星をはりつけて
ある時、老王の傍らに佇む魔女は目を細めて言いました。
『王よ、隣国では我が魔女たちが保護という名目で檻にも似た囲いへと捕らえられてるそうです。
創造主の子孫に自由もない、まるで人間の家畜のようだわ』
老いた王は魔女に耳を傾けた
『そうなのか…酷いことだ、だがお前はこの国の魔女を保護してその後どうした?』
魔女はわざと目を見開くと言いました。
『王よ、わたくしは同族を人間の手の届かぬ、まして目に映すこともできぬ地に彼女たちの棲む場所を与えました。かの国とは違う、安寧を約束します』
『そうか、そうか…無事に過ごしておるならいいのだ、ワシは目が悪くなるばかりで見えぬかもしれぬが、笑って過ごしているならばそれが一番、お前がそういうのならそうなのだろう』
『はい、それは勿論。わたくしが言うのですから』
二人は可笑しそうに笑いましたが周りを警護する兵には心が痛むばかりでした。