ホストの貴方
「待って…え、い…いやっ!」
思わず出てしまった声に気付いたのか、振り向くと、すぐ側に葵がいた。
「おい、どうした…。」
葵は私の目から視線を下にズラした。
止めたいのに、私の性器からは、かまわずソレが流れ出す。
「…おい、それ。」
「いや、見ないで。」
私は急いで、手で覆ったが、葵によってそれは妨げられた。
「お前、中に射されたのか?」
葵は私のパンツを拾い上げた。
「やだやだやだ、見ないで。」
「女の体なんて見慣れてるっつーの。」
「いや…だ。」
「おい。」
「やだやだやだ!助けて!」
「奈緒っ!」
そう叫ぶと、葵は私を強く、痛いぐらい抱き締めてくれていた。
「あ…お…?」
「ごめんな、ごめん。」
初めて聞いた葵の声に、なぜか私の涙が止まらなかった。
妊娠してたらどうしようとか。
そんなことはどうでも良かった。
ただ、こんな汚い姿を、葵に晒してしまったことが、辛かった。