ホストの貴方
葵…奈緒って呼んでくれたり、
あんたって呼んでみたり。
なんか調子狂うな。
そんな事を考えてると、リビングから葵が電話で誰かと話しているような声が聞こえた。
「はい、すいません…今日は休みでお願いします…はい。」
私の為に仕事休んでくれたんだ。
葵、ごめんね。
「あんた、起きてたのかよ。」
私の背中から、葵の小さく囁く声が聞こえた。
「…ん…。」
「は?」
「ごめんね…。」
私は葵の顔が見れなくて、枕に顔を押し付けながら、葵に言った。
「なんだよ、急に。」
「仕事…休んじゃったし…。」
「は?なんか勘違いしてるみたいだけど…俺は俺の部屋に一人で女が居候してるのが嫌なだけだから。」
そうゆう気を使ってくれるところも、見た目とは裏腹に、とても優しくて、何か暖かかった。