ホストの貴方


「いじっぱり。」

そう言うと、葵がもぞもぞと布団の中に入ってきて、私の枕を揺らした。

「うるせぇ、黙れ。」

「だってそうじゃん!」

「もう風呂入んねぇ。」

そう言って、私の掛けていた布団を思い切り引っ張った。

「汚い!ってか引っ張んないでよ。」

「俺のベッドだし。」

葵の足が私の尻を軽く蹴った。

「やめてよ、変態。」

「あ?つかお前の大事な部分、さっき全部見ちゃったし。」

そう言って、白い歯を覗かせた葵がとても愛おしく感じた。

「ホント変態。」

「んだと?」

「馬鹿。」

「あー眠い。」

葵は枕に頭をすぼめた。

私はその後もなかなか寝付けなくて、気付けば時計は夜中の一時をさしていた。

その頃には、葵はもうすっかり寝息を立てていて、葵が寝てる間にも、腕が私の体にぶつかったり、葵の寝息が鼻にかかったりして、平常心を保てなかった。


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