ホストの貴方
私は、葵がガツガツご飯を食べているところをずっと見つめた。
白い肌はいつ見ても綺麗で、昨日みたく髪の毛は盛っていなくて、なんだからへにゃんとしている。
そういえば、いつお風呂に入ったんだろうか。
「なに見てんだよ。」
ボーっと葵の顔を見つめていた私に、葵が言った。
「え、あ…いや、なんか美味しそうに食べてくれてるから…。」
「うまくねえし。」
そう言いつつも、食べる手を止めない葵が凄く可愛い。
きっと、葵のところに来るお客さんは、みんな葵のこうゆうところに惹かれるんだろう。
葵はお客さんにも、同じ態度。
ホストだからそれはしょうがない。
肉体的な経験も豊富だし、女の人の扱いにも慣れている。
しょうがないのに…。
それなのに、なんでこんなに胸が痛いんだろう。