ホストの貴方
葵は食べ終わったらしく、席を立ち上がった。持つ手にある皿の上を全てからにして。
それだけなのに、嬉しさが込み上げてきて、どうしようも無かった。
「ごちそうさま。」
「う、うん。」
まともに顔が見れなくて、私も席を立ち上がって、学校に行く準備をした。
「あんた、学校行くの?」
「うん。」
「休めば。」
「ううん、大丈夫。」
「あっそ。」
学校の支度を終えた私は、葵の家を出る準備をした。
「あ、俺、今日学校行くから。」
「え?」
「んだよ。」
「ぶっ。」
出た、葵のさりげない優しさ。
「笑ってんじゃねーよ。」
「じゃ、行こっか。」
いつの間にかブレザーに着替えていた葵を見て、私は胸がドキドキして仕方が無かった。
だって、その姿は反則なぐらい、あまりにもカッコ良かったから。