ホストの貴方
駅前のすぐそばに、私と茜がよく利用するカフェがある。
内装はとても綺麗だし、中はいつも若い子で賑わっていた。
「ホント…やんなっちゃう。」
私達は窓際の席に座って、メニューを手に取った。
「奈緒は何にする?」
「今日はキャラメルにする。」
「んじゃ、私は抹茶!」
ピンポーンと呼び出しのボタンを押すと、バイトと見られる女の子がすぐにパタパタと走ってきた。
「注文お決まりでしょうか?」
「キャラメルマキアートと抹茶ラテを一つずつお願いします。」
「はい、すぐお持ちしますね。」
注文を伝え終えると、女の子はまたパタパタと走り去っていった。
それから10分ぐらい待っていると、外に優哉らしき人影が見えた。
私は目で茜に合図をした。
そして、カランという店のドアが開く音がした。
「優哉!こっち!」
茜が大きく手を振った。
「あぁ…待たせて悪い。」