― 君 色 星 ―
「今の第4夫人ですか?香織っていうんですよ。あ、そうです。前、うちの店の常連だった…」
てっきり香織は怒っていると思っていたのだが、どうやら状況が飲み込めていなかっただけらしい。
不思議そうな顔を俺に向けてきた。
それでも俺は、右手の人差し指を顔の前に立てて、声を出さないようにさせた。
「今、キャバクラで働かせて、ツケを回収してるところです。回収終わり次第、またうちに通わせようかと…」
そこまでアイツの話を聞いて、俺は確信した。
まさか、というか、やっぱり、というか……
香織はアイツの金ズルに使われている…!!