― 君 色 星 ―
- side KAZUHIKO
…圧倒された。
俺多分、人生で初めて大阪人にまくし立てられた気がする。
隣の住人、ほとんど家に帰ってきてる気配がなかったけど、まさかこんなのが住んでたとはな…。
「…残念」
ポツリと俺がその一言だけ言うと、東野香織は怪訝な顔をした。
「俺は21歳の大学3年生。君に名字を呼び捨てにされる覚えはないし、手をはたいた理由ならちゃんとある」
ゆっくりした口調で彼女にそう告げると、彼女はバツが悪そうに顔を赤くして、少しうつむき加減になりながら俺に聞いてきた。