― 君 色 星 ―
「……カズ、く、、ん?」
カズくんに届くか分からへん、かすれた小さな声しか出なかった。
うちの呼びかけに答えたのかどうかまでは分からんかったけど、カズくんはボソッとつぶやいた。
「俺、初めて人、殴った……」
っちゅうことは…、カズくんがうちを助けてくれた、ゆうこと?
まだ少し肩で息をしていたカズくんの右手が、震えていた。
カズくん…
うちのために、ごめんな。
うちは思わずベッドから下りて、カズくんを背中からギュッと抱き締めた。