― 君 色 星 ―
「それ、もういらんわ。カズくん、食べてかまへんよ」
「え!?」
…と言われても、俺、甘いものは食べないんだけど…。
そう言おうと思ったら、いきなりまた香織に抱き締められた。
「…カズくん、ありがとう」
俺の胸の中でつぶやかれた香織の言葉は、しっかりと俺の耳に届いた。
そして、香織の言葉は俺の身体をぐるぐる回って、次第に身体の中から熱いものが込み上げてきた。
その正体が何なのかまでは分からなかったけど…。