― 君 色 星 ―





「それ、もういらんわ。カズくん、食べてかまへんよ」



「え!?」





…と言われても、俺、甘いものは食べないんだけど…。





そう言おうと思ったら、いきなりまた香織に抱き締められた。







「…カズくん、ありがとう」





俺の胸の中でつぶやかれた香織の言葉は、しっかりと俺の耳に届いた。





そして、香織の言葉は俺の身体をぐるぐる回って、次第に身体の中から熱いものが込み上げてきた。





その正体が何なのかまでは分からなかったけど…。






< 152 / 328 >

この作品をシェア

pagetop