― 君 色 星 ―
「カズくんは?甘いもん食べれんのなら、ブラックでええの?」
砂糖のスティックをちらつかせながらカズくんにそう聞いたら、カズくんはそれまで視線を集中させていたパソコンの画面からそっとうちの方に視線を寄せた。
「ああ。俺はいつもブラックだから。こんなことさせて悪いな、香織」
「かまへんよ。…っちゅうか、こうなったんもうちのせいなんや。宇宙のことは分からへんけど、手伝いぐらいさせてや」
そう言いながらカズくんとテッちゃんの前にコーヒーの入った熱いカップを置いた。
「…何があったか分かんないけど、このケーキ、ホントに食っていいわけ?ここのケーキ屋、めちゃくちゃ有名なトコだけど、高いんじゃないの?」
テッちゃんがそう聞いてくるのと同時に、うちはサッとテッちゃんの前にケーキの乗りそうな大きさのお皿とフォークを差し出した。