― 君 色 星 ―
- side KAZUHIKO
『香織に――、もうすぐ冬休みなんやし、大阪に帰ってこい、ゆうて伝えてもらえんでしょうか?』
電話の相手も、香織と同じ関西弁を話す男だった。
『あいつ、大学進学してから、全然こっち帰ってへんのです。香織の家族もみんな心配しとるし……、』
俺はとりあえずあいづちを打ちながら、中村健吾さんの話を聞いた。
『前は、香織は家族や俺に対してこんな冷たなかった。何があったんか…、ちゃんと説明してもらわな、こちらとしても納得できへんのです』
…香織が、家族との連絡を拒んでる?
『とにかく、連絡だけでもええから、一度話をしたいと伝えてもらえませんか?』