― 君 色 星 ―
目の前の香織は、おびえているようにも見えた。
昨夜、香織は彼氏と残酷な別れ方をした。
たまたまその現場に居合わせることになった俺は、今にも壊れそうな香織を一人にしておくことができなかった。
せっかく俺が香織を助けたと思っても、香織自身が立ち直ってくれないとどうしようもない。
だからあれから徹司を呼んで、香織の心を和ませた…つもりだった。
その後に、拒んでいる人からの電話。
こんな話、本当はあまり聞きたくないんじゃないか…?
「まず、中村さんと香織の関係を教えてくれないか?」