― 君 色 星 ―
家族から、逃げる???
「もう、あの家族はうちなんかおらんでも成り立っとる。なのに、偽善の愛をうちになすりつけようとする。……なんか、しんどい思わへん?」
香織にとっては充分に意味のある発言をしたのだろうが、受け取った俺にとって、それは全く意味の分からない発言だった。
「ごめんな、カズくん。うち、とりあえず自分の部屋に戻るわ。シャワーぐらい浴びたいし」
強がったつもりなんだろうが、俺には香織の顔が寂しそうに見えた。