― 君 色 星 ―
「卒業、おめでとう」
不意に煙草を真っ赤な口紅の塗られた唇から離した玲子さんは、意味の分からん祝福の言葉をうちに言うてきた。
「何ですか?急に…」
先輩に対して失礼…と思いながらも、うちは玲子さんを不審な目で見つめた。
そんなうちの様子を見て、玲子さんはクスクスと笑った。
「いいわ、その瞳。手放すのが惜しいけど…、やっと華霞も見つけたんだね」
なんや、この人。
これやから非凡な人は分からんわ。。。
「華霞にとって、大切なもの。見つけたんでしょ?」
青いアイシャドウで綺麗に囲まれた玲子さんの瞳が、そっと優しく微笑んだ。